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啓明舎の中学高校部

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駒場東邦懇談会
6月5日実施
【金子智之】
 
 去る6月5日、啓明舎本部校に駒場東邦中学の工藤校長先生をお招きして、KM懇談会が開催されました。
 駒場東邦中学は、戦後の貧しさから脱却し、青少年に明るい夢を持たせようと、当時の東邦大学理事長額田豊博士と都立日比谷高校の校長であった菊地龍道先生によって教育の理想を持って1957年に設立されました。その理想とは、資源のない日本では、頭脳の資源化こそ急務であるという理念から、科学的精神に支えられた、合理的な考え方を教えることと、自主独立の精神を養うことでした。そのために、中学・高校の6年間を一体化した中等教育の必要性を唱え、6ヶ年一貫の教育を実践されてきました。創立の当初から、英語、数学や理科の実験では1クラスを二分し、少数教育を実践されたり、学校行事を各教科をまたいだ総合学習的な方法で実施されたりと、種々の工夫がなされてきました。1971年からは、高等学校での生徒募集を廃止して完全な6ヶ年一貫教育の体制が確立されました。
 さて当日、工藤先生が懇談会の始まりに際して、「本校には、保護者の方がよくいらっしゃる」とおっしゃいました.「面談で呼び出されたわけでもなく、学校行事が多いわけでもないのに本校には、本当に保護者の方がよくいらっしゃる」とのこと。また、「高校3年生を担任する教師が最も気にかける事は、生徒の抱える悩みが十あれば、そのうちの二でも三でも話してくれるかどうか、ということだ」とおっしゃいました.思春期を過ごす生徒にとって、生徒・教師・父母の相互理解と信頼感が必要で、それが学園の活性化の原動力になっていると話されました。

 続いて、話題は履修カリキュラムへと進みました。「本校の方針は、文・理に偏ることなく各教科でバランスの取れた能力を身に付け、『自分で考え、答えを出す』ことを目標にしているので、高3まで文・理コース分けは行わず、5年間で全科目を履修します」とのことでした。「!」という気持ちに答えるように、続けて「将来世界に翔く為に、基礎をしっかり学習することが必要で、文系でも理科の学習・知識は必要だ」とおっしゃいました。例として、弁護士になった卒業生との懇談の場や、東邦大学医学部教授との会話の中で、多様化した社会では、専門知識だけでは充分とは言えない、というのが共通した話題であったことを披露されました。

 そのような教育方針は、生活指導にも見られ、「クラブ活動は削らず、むしろその“自主的な活動”を通して、個性を尊重して他者を承認する社会性を身に付けて欲しい」とおっしゃられました。また、校則についても、学校生活時間と制服があるだけで、生活指導の基本は、生徒個人の“自主的な判断”に委ねられている、ということでした。生活指導に関しては、「少人数で目をかけるよりも、大人数の中で育まれる生徒の自主性と個性を尊重するべきで、生活指導と学習効果を一緒に論じてはいけない」というお考えを伺うことができました。またしても「!」。

 最後にお話いただいた、進学実績につきましても「現役進学率は50%程度で、自分にとってやりたいことは何か? その勉強をするための大学はどこか? を自分で判断している」ということでした。
 建学の精神が色褪せることなく、理想が現実として機能しているこの学園の門を、来春一人でも多くの駒東特訓生がくぐることを期待します。【金子智之】
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