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啓明舎の中学高校部

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【音石貫太郎】
 
 朝8時に啓明舎に寄ってから余裕を持って向かったが、集合時刻の一時間以上前には神谷町の駅に着いた。啓明舎からは四十分とかからない。東京タワーが真上に伸びる都会のど真ん中だが、緑も多く、静かで、オフィスビルへと吸いこまれていくサラリーマンの表情もどことなくすがすがしい。思わず芝学園下交差点付近のスタバでコーヒーを飲み、落ち着く。ここは隣のドトールと違って禁煙で空気もうまい。さて、気分も昂ぶり、坂を登って講堂の入り口に着くと、待ち受けていた芝の先生方から一斉に挨拶をされた。恐縮の限りであるが、やはり男子校はこういった体育系のノリがないといけないと思わず納得する。芝はのんびりしていると言われるが、そんなことはない、威勢のいい挨拶こそ活気に満ちた男子校の証しのひとつである。大都会の真ん中の静かな場所で設備の整ったきれいな校舎、若くて活気のある先生がた、肩から掛ける白かばんに生徒たちの明るい表情、進学のみに力を入れる管理主義ではなく自主性を重んじた伝統ある教育方針、どれをとっても人気が高いのはうなずける。本日の芝パックも100人を超える保護者の方々が参加される。啓明舎の学校訪問会でも最も人気のある学校の一つである。
 保護者の方々が十数名ほど集まるごとに順次芝の先生に誘導していただき、学校見学からスタートする。つぎつぎと集まる保護者の方々を先生がたが手際よく構内見学へと誘導している。実にきびきびしている。私は、学校見学のポイントを、一、現場を担当している先生の生の声が興味深いものか、二、設備だけでなく授業も(中一だけでなく高学年も)見学できるか、その際誘導の先生の表情が活き活きしたものか、三、学校の先生方の動きが統制がとれていて落ち着いたものか、この三つに絞って見学しているが、芝中学はこれらのいずれの条件も満たしている。

 校舎は新しくきれいで、しかも設備は抜群である。理科実験室は六つもある。中学生教室の廊下には、今年も磯浜観察の生徒のレポートが貼りだしてあったが、いずれも出来ばえは素晴らしい。海辺の動物や植物のスケッチが、細部まで正確に書いてある。理論を覚えることも大切だが、自分の手で実験をしてなぜそのような結果になったのか考えることや、自分の眼で観察して他のものとの違いや特徴を見つけることは、理科の基礎学習で最も大切なことである。理系進学者が多いのも納得できる。

 校長先生のお話は今年も熱がこもっていて、子供たちにとって中高六年という貴重な付き合いを通してどんな人間に育てていきたいか、明確に伝わってくる。今年は若い英語の先生から、学園での生徒のようすについての話もあったが、子供たちを見る眼の高さが高すぎず低すぎず、普段の生徒との付き合いがとてもうまくいっている様子がうかがい知れた。

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